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【はじめてのおと】



私の彼氏は売れない作曲家だ。

毎日部屋に籠りっきりでパソコンと格闘してる。

私が部屋に来てるっていうのに、上下青のトレーナーとスウェットで、ヒゲはボサボサ。
もうちょっとデリカシーってもんがあるといいんだけど・・・。

「歌ってほしいのは、コレ。歌詞は適当英語でいいから。」

彼はそう言いながら、特大スピーカーから曲を流す。

相変わらず耳に煩いキャピキャピした曲・・・。



私は彼の仕事の手伝いをしている。

仮歌師?とか呼ばれるらしい。ようするに、彼の曲に歌を入れてあげる仕事。

このガラクタが散乱する部屋で歌うのにも、もう慣れた。



「ねえ、この曲って何に使われる曲なの?」

マイクをスタンドにセットしながら私は彼に尋ねた。

「ご当地アイドル。山口県のフグがどうたらこうたらとかいう色モノ。」

彼はディスプレイに向かい合ったまま答える。

「えぇ~。・・・もっとさあ、私の歌唱力を活かすような歌モノってないのぉ?
歌手でもないアイドルの仮歌なんて、私じゃなくてもいいじゃん。
それこそさぁ、棒読みな機械のヤツ、なんだっけ?・・・ボーカロイド?あんなんでいいじゃん。
あれならパパパってできんでしょ?」

「・・・。」
彼は黙ったままパソコンで作業を続ける。録音の下準備だろうか。

「そもそもさあ、機械の声なんかじゃ表現できない感情ってあると思うんだよね。
カナちゃんとかの歌ってやっぱりグッとくるじゃん?
やっぱ私はそういうのの方が性に合うっていうかさー!」

「・・・。」
突然彼は携帯電話を取り出し、誰かに電話を掛けはじめた。

「ちょっと~。なに?私が話してんでしょ!聞いてよ~!」



「やっぱりダメだな。自我を持たせて表現力を負荷する人工知能は確かに凄いが、
これじゃあ人間と変わらない。手間がかかる。やっぱり今までのプログラムでいいよ。
・・・こっちのは削除しとくから。」

「何わけわかんない話してんのよ~!」



彼がエンターキーを押すのと同時に

激しい耳鳴りが頭に響き


目の前に現れた文字を

私は認識する事が出来なかった


" アンインストールが終了しました "




かずち
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テーマ : ボーカロイド
ジャンル : 音楽

2011-11-23 : 音楽 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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えすぱー学園とは。
すみー、かずち、ぼのぼの、Shin
のメンバーによる音楽制作集団です。
同人音楽などを作っています。

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